原作版「きのう何食べた?」のファンによるドラマ版レビュー

こんにちは、しばふさん(@watolog)です!

遂にドラマ版「きのう何食べた?」が最終回を迎えましたね。

そこで今回は、何か一つ動きがあれば、必ずTwitterのトレンドに上がるほどの話題作「きのう何食べた」のレビューをしたいと思います。

きのう何食べた

あらすじ

筧史朗(西島秀俊)は、街の小さな法律事務所で働く雇われ弁護士。

日課といえば、定時に事務所を出た後に近所の安売りスーパーへ向かい、夕食を作ること。倹約家で几帳面な史朗の頭には、激安情報がインプットされている。

そんな史朗が手際よく作ったバランスのいい手料理が並ぶ食卓…共に囲むのは美容師の矢吹賢二(内野聖陽)だ。

2人はシロさん、ケンジと呼び合う恋人同士。

引用:きのう何食べた?公式

キャスト

キャストは以下のとおりです。

役名俳優
筧 史朗西島秀俊
矢吹 賢二内野聖陽
井上 航磯村勇斗
小日向 大策山本耕史
筧久栄梶芽衣子
筧吾朗※志賀廣太郎(1~5話)
筧吾朗※田山涼成(11~12話)
上町美江高泉淳子
小山志乃中村ゆりか
上町修チャンカワイ
富永矢柴俊博
富永佳代子田中美佐子
富永ミチル真凛
三宅祐マキタスポーツ

筧吾朗役の志賀廣太郎さんは体調不良のため降板となっています。

感想

感想は以下のとおりです。

良かった点

神キャストともいえるキャスティング

ファンの間でも言われていることではありますが、本当にキャスティングが素晴らしいですよね!

漫画をドラマ化すると失敗する。と言われるほど難しいキャスティング。

今までいくつもドラマ化されてきましたが、どれも原作とはかけ離れたキャスティングが多く、ドラマ化という言葉だけで毛嫌いしてしまう方も多いのですが、

ドラマ版きのう何食べた?は、実力派の俳優たちを集めただけではなく、一人ひとりが原作のキャラクターに瓜二つであることが、本当にファンとして嬉しい要素の一つでした。

特に富永さんが原作と瓜二つすぎて、よしながふみさん(原作者)からのオファーだったりするのかな?と思ったほど。

また、8話に登場したテツさんとヨシくんは「ちょっと原作とは離れてるなぁ」と感じましたが、さすがは演技派俳優。(原作が素晴らしいことはもちろんですが)原作よりもぐっと引き込まれる出来になっていました。

愛の溢れる丁寧な作り

きのう何食べた?は本当に制作陣の愛がこもっている丁寧な作りをしていると感じました。

きのう何食べた?の見せどころといえばシロさんの手料理ですが、これもフードスタイリストさんがシロさんの性格などを踏まえて器から料理の手順などを考えているようで、

実際にシロさんは性格上冷凍した余り物を使っているはずだから…と一度食材を冷凍させてから、それを使って料理をしているそうな。

下記の記事では制作に関わったフードスタイリストさんが取材を受けているのですが、

このフードスタイリストさんはかなり漫画を読んで研究されている…!

参考 「きのう何食べた?」フードスタイリストに聞く”シロさんの料理”5つのこだわりテレ東プラス

また、主題歌の「帰り道」も、主題歌を歌うOAUが原作を読みながら作詞した誕生秘話があり、

帰り道のPVには原作漫画がちらっと出ているんです!

あのリアリティはこういった制作陣の研究の成果だと思うと、本当に愛がこもっていますよね…

Twitterでの広報活動

特にTwitterでの広報活動が本当にマメで、フォロワー数はなんと約14万人となりました。

オフショットもバンバン上げてくれていたので

原作ファンと、原作は知らないけどキャスティングされた俳優のファンを一挙に確保したんじゃないでしょうか。

また

グッズ展開

きのう何食べたはかなり人気な作品でしたが、読んでいる年齢層の影響なのかレシピ本はおろかグッズ展開は全くされていない状態でした。

しかし今回ドラマ化にあたり、シロさんとケンジが使っているマグカップや、待望のレシピ本の発売が決まりました。

個人的にですが、こういうグッズ展開されたものというのはロゴがドーン!キャラクターの顔ドーン!!と主張するものが多く、なかなか普段使いできないことも多いのですが、

発売されたシロさんとケンジ愛用のマグカップマグカップ裏にこっそりロゴが入っているだけなので、ポイントが高いですよね。

待望のレシピ本はレシピ100%というわけではなく、公式ガイドブック+レシピ本であるため、レシピ自体はかなり少ないですが、

その部分に関しては、ぜひドラマ版では出し切れなかったレシピたちもレシピ集第2巻として販売してほしいですね。

いまいちだった点

一方でいまいちに感じた点は以下のとおりです。

過剰な演出①

きのうなに食べたって恋愛的な部分は限りなく薄くして、

なんでもない日常の様子を描いている作品だと思っていたし、ライトな同性愛であることが万人受けする要素だったのに、

ドラマ版では回を増すごとに恋愛要素が高めになり、ケンジからの過剰なボディタッチで少し「う、うーん…」っとなってしまいました。

勿論ね、ケンジとシロさんも恋人だからイチャつく事もあると思うんですが、

あえて描かれていなかった部分を公開・強調する必要はあったんでしょうか。

イチャイチャしてるところが見たいわけじゃないんです……。

過剰な演出②:第二話

第二話といえば、今後長い付き合いとなっていく佳代子さんとの出会いがある話。

ねぇ、あなた。このスイカ半分こしない!?

ひょんな一言から佳代子さんの自宅へと向かった結果、

少し冷静になった佳代子さんがシロさんのことをレイプ犯と勘違いして泣き叫ぶというシーンがあるのですが、ここでシロさんは咄嗟に「私はゲイです!!」と名乗ってしまいます。

しかしそこでその言葉にあっけをとられた佳代子さんに、今のうちだと追い打ちをかけるように弁護士の名刺を渡して「あ、なんだ弁護士なんだ」と納得してくれる……というシーンなんですが。

ドラマ版ではシロさんの咄嗟に出た「私はゲイです!!!」という叫びで一瞬叫びが止まるものの、

再度レイプ犯だとばかりに叫びが復活した挙句…「なーんてね」と言って切り替えるシーンに変化していました。

あのシーンは本当に佳代子さんが怖い、レイプされるかも。と思ったから叫んだというのに、

なーんてね、と入れることでただの性悪の頭おかしいおばさんになってしまうじゃないか……!

初期の佳代子さんは「あーこの人ゲイなんだって!」とズバズバという事はあっても、性格の悪さは見えなかったので、本当に残念でした。

過剰な演出③:第六話

また、第6話:修習生の話は本当に色々言わせてほしい。

第6話はシロさんが修習生を帯同させて、普段やっている仕事の様子を見学させて「あれ、この修習生俺のことが好きなのでは?」と勘違いしてしまう話なんですが、

原作版では知的で聡明な修習生というイメージでした。

でもなんかドラマ版って単なる恋愛経験のない女性になってないですか…?!

特に個人的に気になったのは大先生(上町美江)が「ちょっと…焦っちゃったわね」というセリフ。

漫画版10巻では大先生が次のように語ります。

結婚ってのはその人にとって非常に繊細かつ個人的な問題だし、

どういう選択をするにしてもそれは100%筧先生の自由です!!

だから他人の私がどうこう詮索したり、ましてや口出しなんてできるはずもないんですが!!

引用:きのう何食べた?10巻

この台詞から、大先生は少なからず人の恋愛感には介入したり笑うような先生ではないと私は思っていましたが、

ドラマ版では「ちょっと焦っちゃったわね♡」とにっこりと笑顔付きでいうことで、何かモロ下心見え見えで…原作との乖離を感じました。

原作との変更点

個人的に違和感を感じた原作との変更点は以下のとおり

・大事にするよというシーン

・医療ミスで亡くなった妻という設定

ドラマ版第6話では医療ミスで母を亡くした息子が病院を訴えるという話がありましたが、

これは漫画版では母ではなく妻という立場でした。

個人的には母よりも原作通り妻の方が悲痛な叫びに聞こえるのですが、何故変更しなければいけなかったのでしょうか。

ケンジとシロさんが互いのことを「大事にしよう。」「大事にするよ。」と互いに別の場所で心に誓うシーンも、あれは語らない美しさがあるのに、そのシーンをなんで会話にしちゃったんでしょう…。

あのシーンは私の中でも特別好きなシーンだったので、思わずがっくりしてしまいました。

総括

原作との乖離を感じるシーンはちらほらとみられましたが、基本的にはかなりクオリティの高い作品だったと思います。

原作ファンだからこそがっくりきてしまった部分もあるので、

記憶喪失になって原作のことを知らない状態で見たかったなぁ…。

深夜枠ということで視聴率の確保は難しかったかもしれませんが、放送される度に記事になり、Twitterではきのう何食べた?がトレンドに上がっていたので、かなり話題性はあったのではないでしょうか。

ぜひ続編が制作されることを楽しみに待っています!

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