こんにちは、しばふさん(@watolog)です!
今回は、元ハウスキャディの私が当時やっていた仕事について、体験談を交えて書いていきたいと思います。
目次
そもそもキャディとは?
ゴルフ場で、ゴルフをプレイしている人の隣でクラブなどの道具を持ってサポートしている人のことで、
キャディは主に二種類に分かれています。
・1つのゴルフ場に正社員として勤めるハウスキャディ
・様々なゴルフ場に呼ばれてキャディ業務をする派遣キャディ
私はこの中でもハウスキャディとして働いていました。
雇用形態等について
採用時の状況については以下のとおり
・雇用形態は正社員
・勤務時間は6:00-19:00の中で8時間30分のシフト制
・実家が遠方の場合は入寮可能(但し三年間の制約付き)
・基本給9万円
・賞与なし
基本的にお給料はラウンド数×成果報酬+基本給で毎月のお給料が決まります。
なので毎日ラウンドに出るたびに成果報酬が追加されるのですが、この1ラウンドにつき支払われる成果報酬額は経験年数が採用されていました。
そのため1年目の成果報酬額は雀の涙であったため、先輩方との月収差は二倍以上あったように思います。
また正社員の場合は勝手にラウンドに出るか否かで決定されていたため、
「もう少し稼ぎたい」という要望は叶えてもらえませんでしたし、雨や雪で中止となった場合には当然成果報酬がなしになってしまうため、毎月のお給料が安定することはありませんでした。
特に山の中にあるゴルフ場だったので冬は雪が積もりに積もって月の半分以上がお休みとなり、お給料がほぼ基本給の9万円のみとなってしまうことも…。
仕事内容について
基本的には一緒にラウンドについて行って案内をしながらサポートすることがメインとなってくるのですが、
それでは実際にどんなことをやっていたのか、一日のスケジュールと合わせてご紹介します。
一日のスケジュール
ガソリンが入っていない場合は、敷地内にある簡易型給油場でガソリンを入れます。
まずはにっこり笑顔でご挨拶。今回帯同させていただく〇〇ですとあいさつをしてカートに乗り込み1ホール目へと向かい、サポートが始まります。
サポートの内容としては以下のとおり。
・毎ホールの特徴や注意点、どこを狙うと良いのかを説明
・打った球を探して、残りのヤード数を報告
・グリーン上では芝目を読んでどこを狙うべきかを伝える
・常に先回りして必要なクラブを持って良いタイミングで手渡す。
・打った後のクラブを回収し、汚れた部分を水につけて洗いながら移動
・隣のコースに球が飛ぶなど危険球が出た場合、「ファー」と声を出す。
アンケートの内容は以下のとおりです。
・コースの難しさについて
・キャディの対応はどうだったか
・その他感想
アンケートで書かれた内容は、書かれている内容に問わず関連部署や担当キャディに報告されます。
特にキャディの対応はどうだったかの項目は会社内の個人評価につながるため、私たちキャディはアンケートを受け取る瞬間が一番ひやひやしていました(笑)
それから最後におしぼりとアンケートを受け取って、最後の挨拶をしてラウンドの業務は終了となります。
その他の業務
上記にあげた一日のスケジュールはあくまでも一例ですので、毎日というわけではありません。
ラウンドに出ない日は一日中裏方として皆さんの見えない場所で整備などをやっています。
それでは見えないところでやっている作業とはどういったものになるのかを詳しくご紹介します。
ヤード測定
私が働いていたゴルフ場では一打目を打つティーカップの位置を毎日変えていたため、
早番シフトの日はカートで全ホールを回りその日に設定されたそれぞれのティーの位置を計測。
そしてティーからカップまでが何ヤードなのかをゴルフ場内+全キャディに報告して、お客様にご案内していました。
ゴルフ場での目土・除去作業
一人一つ砂をたっぷりと入れた袋を持って目土作業や除去作業を行います。
対象となる場所は打ちっぱなしの練習場+全ホール。
私が働いていたゴルフ場は全19ホールあったので、直線距離10キロの全19ホール全てを回ります。
打ちっぱなしの練習場の管理・清掃
打ちっぱなしが出来る練習場に数名で向かい、まずは練習場内に散乱しているゴルフボールの回収。
回収したボールは洗浄機に入れて洗って、綺麗に磨けたものを自動販売機のような機械の中へと投入します。
洗浄機で綺麗にならなかったものは自分たちで洗って、それでも綺麗にならないものや欠けているものは回収して処分となります。
あとは練習場内にあるトイレの清掃と、打席にできた穴に砂をかぶせて目土作業を行い終了です。
バックヤードの掃除
お客様が入れない休憩室や、更衣室、廊下、乾燥室などを毎日掃除します。
カートのお掃除と整備
・自分にあてられたカートのガソリンが少なくなっていないか
・必要なものはそろっているか
・座席は汚くないか
などを確認し、掃除と整備を行います。
ガソリンが少ない場合や、タイヤの空気が少なくなった場合には、敷地内に整備する場所があるのでそこで行います。
ゴルフ場に到着されたお客様の荷物を受け取って管理・受付前まで運ぶ
クラブハウスの正面玄関に待機してお客様が到着するたびにホテルのドアマンよろしく挨拶を行います。
それからお客様の後部座席、もしくはバックドアを開けて荷物を受け取り、当日参加の方の荷物は受付前まで運んでいきます。
またその逆もしかり、ゴルフを終えられた方の荷物を正面玄関前まで運んで、管理と積み込みも行います。
カートへの積み込み・積み下ろし作業
自分がラウンドへ行くことになったら当日の参加者の名簿を頂きます。
それからその名簿をもとに受付の前に並べられたゴルフバックからお客様のものを探してカートの上に積み込みこんで、お客様がどんなクラブを何本持っているのか、特徴は何かを確認してメモに記載します。
これをしないと本当あった・なかったの問題に発展してしまうため、自分を守る上でも非常に重要な作業でした。
みんなが気になるあの質問
どんな人が働いているの?
うちはキャディとしては珍しく、高校卒業後の18歳から30歳の女性が多く男性はいませんでした。
またキャディは本当に体力勝負となるため当然といえば当然ですが、体育会系の方が殆どで、THE女社会でした。
きちんと休憩できる?
ラウンドは9ホールずつ前半戦と後半戦に別れているので、前半戦の終了後には1時間の休憩があてられます。
そのため休憩は取れるといえば取れるのですが、通常のラウンドとは違うコンペであったり、大会となると休憩が全く取れず10分でご飯をかっ込んで外に出ることも。
話し上手じゃないと務まらない?
これはお客様にもよると思います。
無駄口をたたくなというお客様であれば、必要最低限しかしゃべらなくても良いのでしょうが
「楽しくわいわいやりたーい!」というお客様相手に必要最低限しかしゃべらないと
お客さん
と印象を持たれてしまうかと思います。
そういう方はこれでもかというほどワッショイすると盛り上がってくれますが(笑)
個人的にはどうせなら楽しく仕事をやりたいので、場を盛り上げながら話すほうが楽でしたね!
実際に体験してみてわかった、大変だった4つのこと
覚えることが多い
一般的なマナーから、ゴルフのルール、果てはゴルフ場に植えられた木々や草花の名前まで覚えることが本当に多くありました。
特にゴルフのルールや一般的なマナーや入社してから数か月間座学で教えられたのですが、その後独り立ちするための筆記テストと実技テストに出るので中々苦労しました。
それ以外にも、毎日お客様の名前と使っているボールやブランドを覚えたりと本当に覚えることが多く、お客様の特徴についてはこっそりお客様の見えない位置に次のようなメモを張って、頑張って覚えていました。
〇〇様(緑・紺/キャロ)
1/2/4/6/9/P/S
ボール:m3
肉体的なしんどさ
全18ホールの直線距離が10キロあるんですが、中々真っすぐに飛ばないのがゴルフなんですよね。
だからそれを蛇行して進むと考えると毎日10キロ以上を走り歩きするので、肉体的には結構しんどいです。
クラブも重たいので1、2本持つだけならいいんですが、8本とか持ったりすると支える腕が青くなったりしたりして最初は本当に筋肉痛が治らない状態でした。
またゴルフはよほどの天気でなければ決行されるので、40度近い真夏や極寒の真冬も雨も関係もなくラウンドに出るのは本当にきつかったです。
時間管理の難しさ
ゴルフではどんなに前の組が遅くても、後ろの組が前の組を追い越すことが出来ないため、
例えばその日の1番手に回った組の動きが悪いと全員のスケジュールがずれ込んでしまうんです。
なので基本的にキャディは9ホールを2時間ほどで回るように時間を管理しながらサポートをしてくださいと指示がされているのですが、初心者の方が多いと2時間を超えて2時間30分、3時間とかかってしまうことも。
で、時間を超えてしまうと後ろの組を管理する先輩キャディから「何やってんの?」と叱られてしまうため、毎日「今日は初心者の方ありませんように…」とひっそりと祈っていました。
一部のお客様への対応
キャディさんがいてくれたから楽しくできたよ!というお客様がいる一方で、良いお客様ばかりではないのがゴルフの難しいところ。
特にゴルフ場で1ラウンド回る場合の金額が高く設定されていると「高いお金を払っているのだからやってもらって当たり前」という感覚の方も多いので、理不尽な目に合うこともたくさんありました。
ここが困ったなぁという思い出集
落とし物探しを頼んできたお客様
結婚指輪無くしちゃった!でもどこまであったかも全く覚えてないから探して!
あの指輪200万円もしたの!!!!!
結局全ホールを全社員で探しましたが見つからず。
そりゃあ見つかるわけがない…!
同じタイミングで打ち始めるとある国のお客様
ゴルフといえば普通は一人ずつ打っていくものですが、とある国のお客様は全員が同じタイミングで、好き勝手に打ち始めるのでボールを目で追いかけることが非常に大変でした。
グリーンでも一人ずつ打たずに全員で打っちゃうものだから、四方八方から転がってくるゴルフボールを避けることに必死になる始末。
かといって一人ずつといっても聞いてはくれませんでしたから、本当に大変でした…。
ラウンド中、手の平にナッツのお菓子を直に乗せてくるとある国のお客様
これもとある国のお客様の話。
次のホールへと辿りついて、グリーンに前の組がいるので少し待っていたところ「手を出して!」と言われたのでなんだろうと思ったら、手の上にどっさりとナッツのお菓子を乗せてくれたんです。もうこれ完全に好意でやってくれてるんでしょうが、そのタイミングで前の組が次のホールに向かったので早くたべなきゃ!あぁでも説明を…!と非常に慌てました。いや、ご好意でやってくれてるのでいやではなかったんですが(笑)
私がキャディをやっていて良いと思った点
いやぁもう、本当にキャディって理不尽なことが多いです。辛いことばっかりですよ。
中には
「あーキャディさん、俺ねぇ君みたいな若い子の言うことはまーったく信じてないから!俺はこのヤードを計測してくれるものがあるから大丈夫だから!」
と計測器を片手にふふんと笑うおじさんや
「あーもう君若いから芝目が分かっちゃいないんだよ。そんなに曲がるわけないでしょw」
とバカにするお兄さんなんかもいますしね。
でもそういうキャディを舐めてるほど、丁寧に丁寧に対応をした結果
「ごめん、俺たちが悪かった…君の言うとおりだった……」
と最後には信頼を寄せてくれるので、そういうときはスカっとしたー!!!!やっててよかったー!!!と思います。
それに対人スキルといいますか、その場を盛り上げるよいしょスキルも上がります。
いや本当、円滑に進めるためにはよいしょが大事。
嘘でも本人が気持ちよく一日プレイが出来ればそれでいいんです。
それとキャディって一日お客様と付き合うことになるので、その日のお客様の満足度が非常に見えやすいお仕事なんですよ。
だからお客様が楽しそうであったり喜んでいたりとここまで満足度が直に見えるやりがいというのは他にないんじゃないかとも思っています。
私もこの仕事を一年半続けることが出来たのは、自分が頑張れば頑張るほどお客様の良い反応を直に感じることが出来るやりがいがあったからでした。
まとめ
私がキャディをやめたのは社内の人間関係があまりに酷かったためなのでゴルフとか少しかけ離れてくるのですが、
自然に囲まれて四季を感じ、時に鹿やキツネなんかと鉢合わせする仕事は中々楽しかったと思います。
やっぱり他でそういう経験ってすることはありませんしね。
お客さんからの理不尽も多いですが、その困ったチャンな行動をするのは本当にごく一部の方が原因であって殆どの方が悪い人ではありませんし、
ほとんどのゴルフプレイヤーはサポートに徹するキャディの大変さをよく理解してくれていると思います。
何よりものすごくやりがいを感じる仕事だと思います。
ただ、それ以上に精神的にも肉体的にも疲労の大きな仕事なので、キャディになりたいのであればその点をよく理解して下さい。決して簡単な仕事ではありません。
また、これを見ている人がキャディに興味ないんだけどゴルフをしているという方であれば、キャディって意外と大変なんだよってことを分かってもらえたらうれしいなぁと思います。
こんな人におすすめ
体力に自信があって、接客が得意な人
ゴルフに興味がある
運動が好きな人
四季を感じる仕事をしたい人
ぜひ興味のあるかたは一度チャレンジしてみてくださいね♪
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